詩 第一

愛する人よ、君を呼ぶ。

 

無我なる夕刻より。

 

海より深き涙より。

 

黒い浅瀬を横目に、1万年を佇む渚より。

 

宵、人々は窓を閉める。

 

火と燃えた記憶を、思い出さぬように。

 

波打ち際に君を待つ。

 

熱い夏の終わりを、微睡みの中へ葬るように。

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