白の章~儚い色~


     「装う色」



海の波 空の雲
岸辺に辿り着き 再び海原へと却っていく
雪が降る 息が凍り 青が閉め出されていくように
結晶になれば 色はとどまることができない
山の頂 地上の果て 青空と雲を造形したような
氷河と山脈の装い



     「雪の色」



色づいた風景が 目を閉じるように
思い出が色あせるように 解けていく


空から溢れた色が 一つの場所に帰っていくように
舞い降りた夢が 洗い流していく


目を閉じた小鳥が 眠りの中で
いつか帰る場所を 希う


寒さに凍えた その両手を
誰か温かく包み込む その手がある


明りは命に似ている
星は夢に似ている
明日は希望に似て
夜は救いに似ている


凍りついた想いが 温かなその手の中で溶けていく
時が訪れれば 許された場所で 咲くように



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