紀(はじめ)

「ただのメモ」を完結させたのはいつだったろう。
夏頃だったかな。
私の中で変化があったのは完結後だったなと思い返す。
読み返して、今日を迎えることができて良かったと思うのが半分。不安が半分。
だから挫けてしまわないようにまたメモを書こうと思う。
2018年7月から思うような生き方ができるように。

作品で書いた私の願いや思いは、私を今日まで連れてきた。
私は過去の自分の思いにようやく報いることを選べた。
未来の私もきっと今日の私を選んでくれると信じてここに残す。
今日は「紀」という漢字を始まりにふさわしいと選んだ。

「紀」という漢字は「正す」「始まり」「記す」「年月」などの意味がある。
己が糸を巻き取る道具の形を表している。糸を正しく巻くというのがこの漢字の成り立ちらしい。
生きていると遠回りもするし、間違った選択をすることもある。
絡まった糸をそのまま巻いてもきれいにはならない。
絡まった部分の影響が必ず出る。
まずは絡まった糸を解く必要がある。ここから始めなければならない。
過去は精算できない。問題があるのは過去のようで、実は今だったりする。
今の問題を過去になすりつけていることがある。
それが自分を納得させるための方法だったり。
虚実が溢れる自分の心と世界を整理して見ることは難しい。
私はもっと自分を見なければならない。
世界を知らなければならない。

自分の心もだけど、体も見るのが怖い。
体がぼろぼろなのはもともとだったか覚えていないけれど。
治るだろうか。と思いながら撫でる。
心も治るだろうか。と思いながら猫を撫でる。
好きなときに家にきて、嫌なときは離れる。
猫のように生きることができたら糸は絡まることはないだろうな。
なんてつまらない話だった。

蛇口から流れるような感情をやっと止めて、
心に残ったものがきっと本物だと思う。

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