命が命を

命が命を
障害物のように
すり抜けて行く
日常
私だけだろうか
怯えているのは

個が集まり
群れを成している
世界
和を乱す者は
疎まれる

他人(ひと)は他人(ひと)
自分は自分
知らぬが仏
触らぬ神に祟りなし
本当にそうか
それが正しいのだろうか

命と命が
ぶつかった 瞬間
或いは
向かい合った 瞬間
その限りあることに
その尊い存在に
気付かされる

灯火が煌々と燃えているときには
分からない

泣いたって
泣いたって
尽きたものは戻らない
消えた火は戻らない

愛しい命には
手を添えて
痛みを 喜びを 悲しみを 何気ない時を
分かち合いたい
分かち合える命でありたい

願うのは
この命だけでないだろう
あの命も
願っているだろう

命が命を

©Daichi Ishii Office, LLC.