「優しさ」



誰かに触れていたいと思うのは

この世界があまりに広すぎるから


その手を握りしめてしまうのは

いつか離れてしまうことを知っているから


触れて 絡めて 解けていく


流れ星のような その瞬く間に

届いた願い 伝わった祈り


まだここにいたいということ

まだ一緒にいたいということ

出会ってよかったということ


全部溶けて 滴になって 深い場所に染み込んでいく


背中を照らす灯台のように 夜に輝く月のように 昇る朝陽のように

いつか独りになっても そこに瞬いた光は 消えない



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