「切なる娘」

義眼の裏で
溺れる母親
届かぬ指が
暴悪を掴む

仔猫は匣で
正義を唱え
三途の沼に
詠って沈む

麻酔の味で
悶える愛人
拒まぬ喉が
宵闇を呻く

生花は月で
朝陽を忘れ
讃美の毒に
想って靡く
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