雨味サイダー。


ひどい頭痛の雨の日に、彼女は分厚いレンズの眼鏡で小説を読んでいる。
ピンポン玉ぐらいの水の玉をつぶさないように踏みながら。
雨で薄まった瓶サイダーを一口飲むと、こっちを見てニッコリ笑う。
黄色のオープンカーが大通りでスピンしている。
俺は何か書こうと思ったが紙も鉛筆も濡れていたので、書くのをあきらめて彼女が小説を読み終わるのを見てることにした。

終わり。


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