No.マイナス35


イカレた奴がニヤニヤしながらこっちを見ている、ずっとだ。ヨダレをたらしながら首を絞められたような声で独り言を言っている。

腐ったグレープフルーツの木が一本。その下でベースを弾いてる奴がいる。

ゴミ箱を見つけるたび頭を突っ込みたくなるようになる。拾ってきた人形に名前を付けてやる。ZOEと名付ける。しばらくほっておいたら勝手に歩き出した。硬いビニールの製の口は開かなくて声が出せないみたいだ。だがそれは好都合だ、俺は喋る女が大嫌いだから。

濃いコーヒーをキメてから外へ出た。茶色のネルシャツばかり着ている。ゾウみたいなケツしやがって、さっきのババア。

音には音で中和させろ。やわらかい鉄、触ってみたい。

金を拾ったらチーズの塊を買いたい。

終わり。


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