ほどけない紐と神

 夜になって、俺はまだ生きていた。
部屋の換気扇の下に立ち、片足立ちになってボーっとしていた。
ポケットの中で絡まったイヤホンケーブルのような気分だ。
紐は絡まるためにできていることを思えば、
すりガラスの向こうに広がるガラクタのような町も幾分落ち着いて見渡せる。
ような気がした。
絡まった紐が空回ったあげくにビルが建ち、道路は整備され、街灯が光り、
俺たちは靴下をはいてウロウロと世の中を徘徊している。
光に刻まれたこの世界を美しいと感じるには思考を止めなければならない。
実をとって食べてはいけない。
ごまかすんだ!自分を欺け!ディズニーランドを信じろ!
神を受け入れろ!!!!!?

じょうだんじゃねえぞ、くそったれが!誰か俺に酸素をくれ!
お前が吸ってんのはなんなんだ?神だと?
とりあえず貼っておくサロンパスみたいなもんじゃねえか!
サロンパスとバンテリンとアンメルツヨコヨコ。
どれが効くかの言い争いで殺されていく。
ディズニーランドはよくできた脱法ハーブだ。
みんな、よく聞いてくれ!俺はまだ生きている!
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