白はひるがえり 黒になる
黒をひっぺがえして 白になる
やがて白黒混在し 俺は混線し
盤面は 俺の敗退を数学的に表す

勝ちを望んだ試合で
俺はいつも 尻尾を巻いた犬になる
勝ちたかったかどうかもわからない
それでも 俺は
くじを引きに 窓口の中の温かさにやられて
右手を差し伸べる

上がるべき土俵すらわからない
升席に根を生やした酔っ払い
死神は 俺を負かしたがってるわけじゃない
死神は 決まり手を宣告するだけの かぶいた行司
どうりで俺には見えないわけだ

朝が来て
俺は地面に拳をたたきつけるが
人生との 間合いがとれずに
待ったなしまで 追い込まれる
©Daichi Ishii Office, LLC.