Dear B

 あなたのおかげで、私は人生と格闘するばかりでなく、時にはダンスすることを覚えました。足取りはおぼつかないながらも。あなたは突き放しながら、手繰り寄せる。匂いをかいでから、鼻息で吹き飛ばすように。世界を素っ裸で浴びて、傷口から滴るアルコールで文字をえがいた。あなたは千鳥足の華麗さと真実味で口笛を吹きながら、シラフの狂気を路上でくらい、しこたま吐いた。シラフがいかに狂気かを、それを上回る狂気でまくしたてた。高速道路の狂気。乱立するビルの狂気。その狭間で、キーキーと異様なノイズを発し続ける人類の狂気。靴下を履いて出かけていく人々の狂気。正気を保つために、自分を平衡状態に引き上げるために、あなたは飲んだのでしょうか。注射器でなくボトルを選んだのは賢明だったと思います。

 この世はホラーショウ。死人が街を闊歩する。死人が街を占拠して、あなたを燃やしたのでしょう。それにしても、あなたを読んでいると、まるで指に肛門があったのではないかと思ってしまいます。あなたは町で、バーで、競馬場で、たらふく狂気をくらい、たらふくくらい、たらふくくらい、そして吐き気を催し、指の肛門から解放したのでしょう。
ああ。しかしながら。私は人生と格闘するには貧弱で、ダンスするにはマジメすぎるのかもしれません。死よりも厄介なくそ野郎にまとわりつかれて、ボリボリ食われてしまいそうです。

夜分遅くに申し訳ありません。あなたならダムを決壊させられるでしょうが、今の私はチロチロと隙間から漏らすのが精いっぱいです。ああ、それでは、今日のところは、さようなら。
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