『脈打つ物』

   画像著作者  Wa Al 


 なんびとたりとも、このまぐわいを邪魔させぬ。


『脈打つ物』 


 含んだままに柔らかく、暖かな物先が弧を描く。

 ゆったりと上下を繰り返す君の情。

 含まれし我は成されるまま脈打ちて震える。

 ねっとりと広がる我が淫妖なる香に、器用な物先の動きが静まり様子をうかがう。


 しなやかな指でじらされ、甘噛みされると、ひとしきりの激しさを超えても尚更に続く恍惚が、此の世の総てと入れ替わってゆく。

 夢心地に過ぎ行く時は幾度もの波を作り出し、次第に頂点が薄れる意識と行き替わる。


 永遠と思われるほど、天にも達すると思われるほどに互いの身を包み、内と外の交錯を勢いのままに繰り返す。

 魅惑の声は互いに引き合い、総ての水分が枯れ果てようとも終わらぬいざないの旅を続ける。


 今一度甘味なささやきの為に我が身を捧げん。

 茫然自失にこの身を措きあえぎ、何一つ残すこと無く君が体内に注ぎこむ。


 はてた後は君が手中に有って、やつれし我が身を君が口寄せ含み食む。

 熱き吐息を吹きこまれ、再び歓喜の下部と成りて落ちてゆく。


 幾重にも幾重にも、繰り返す度に君の喜びは我が喜びと共鳴し、強く固く。

 絆の誓いがまたしても君の中で歓喜する。


 ああ、なんと愛しき体感であるのか。

 君が優しきその唇に、触れるを許されたるこの身の幸せかな。


 この身の総てを飲み込んで

 君が心の欲するままに。

 何時でも我はここに居る。


 冷蔵庫の中のアイスクリームとして。

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