「君の傍に」


歩いていくほどに遠ざかって
遙か彼方に置き去りになっていて

見えなくなってしまった

それでも歩き続けなくてはいけないから
大事なものは この胸に抱いて

いつも思い出していた

想いは色褪せていく
いつのまにか無くしてしまう

それは遠い記憶
遙か彼方に消えたはずの流れ星

もうすくい取れない宝石
もう取り戻せない涙

思い出の隙間を辿るように
探すように手を伸べて

奥底の自分自身を見つけたら
何を伝えられるだろう

零した願いに
今から寄り添うことはできるだろうか

言の葉の欠片を拾い集めるように
記憶の断片を繋ぎ合わせるように

失った温もりを取り戻すことはできるだろうか

これは君に贈る言葉

そして――君の傍にいたいと伸べた願い

それは――過去へと伸べた手


©Daichi Ishii Office, LLC.