夜、歩く

 夏の暑さに耐えかねて、暗闇を歩き回る。湿った呼吸を浴びせてくる森は星月灯かりも遮って、その下を通る僕は縮こまる思いだ。
 しばらく、〝呑まれて行かん〟と律していると〝それ〟が普通になって来る。何か、ひとつ壁を越えた気持ちがあるが、
 良いのやら
  悪いのやら。

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