15 レバノン内戦 (1)

写真は首都ベイルート

中東の紛争問題がいかにややこしいか、それを示すいい例がレバノンの内戦であります。実に17年にわたって戦われた。それでも終結しただけマシと云わねばならないのでしょうか?

中東問題は大国の利己主義と介入、石油をめぐる利権、専制政治と腐敗、それに対する反政府運動と弾圧、そして内戦、イスラエル対アラブ、アラブの盟主をめぐる駆け引き、パレスティナ難民、紛争や戦乱による経済の疲弊と貧困、結果としての宗派対立、すべてが絡まってあります。
 石油をめぐる利権こそありませんが、それら全てを含んであったのが『レバノンの内戦』であります。上手に整理できていませんが、「これほどややこしい」のだと分かって貰えたらいいのです。

【レバノン】(首都ベイルート)
 人口460万の地中海に面する小国です。地理的にイスラエル、パレスティナの上にあり、シリアが東に隣接します。イスラームの前は東ローマ帝国だった関係で、アラブ世界の中ではキリスト教徒が一番多く住んでいます。オスマン帝国崩壊後はフランスの委任統治になりましたが、1941年独立。第二次世界大戦後のレバノンは金融や観光などの分野で国際市場に進出して経済を急成長させ、ベイルートは中東のパリと評されるほど中東及び地中海有数の国際的リゾート地として、数多くのホテルが立ち並ぶなど大いに賑わいました。

 内戦終結後の今のレバノンの政治体制を見ると、
大統領を元首とする共和制国家であり、現行の憲法により、宗派ごとに政治権力を分散する体制が取られております。国会の議員数も各宗派人口数に応じて定められています。キリスト教マロン派は34人、イスラーム教スンナ派は27人、イスラーム教シーア派は27人などです。大統領はマロン派、首相はスンナ派、国会議長はシーア派から選出されるのが慣例となっています。

軍組織は、
 レバノン国軍以外の準軍事組織としては、内務省所属の治安部隊が存在します。民兵組織として政府公認のシーア派のヒズボラが存在します(対イスラエル担当というところか)。駐留外国兵力としては、レバノン南部には国連レバノン暫定駐留軍が駐留しています。また、イラン革命防衛隊がヒズボラの支援のためにレバノン国内に駐留しているといわれています。

これを見ただけで、ややこしい国だと思われるでしょう。

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