おはろー渋澤だよ。
さて私、先日、めちゃめちゃ売れてるこの本
「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」
を読んで、涙をボトボト落とすという体験をしてしまいました。

うっうっ……わたしメン強で売ってるのに……
本を読んで泣くなんて、何年かに一度の体験なのに……。
しかも小説でもなく、こんな売れ線のノンフィクションの本で泣いてしまうなんて、
マジで不覚である……!

さて、私は、4人に1人は東大に入る進学校から東大に入ったため、
この「ビリギャル」の逆境からの成功にシンパシーを感じて泣いたわけでは、勿論無い。

むしろ
「別に1年で慶應とかすごくなくない? 2教科プラス小論文でしょ。全然間に合うっしょ。
東大だったら5教科7科目だから難しいかもしれないけどさあ」
とか言えちゃう立場である(言わないけど)。

それでも、読み進めるうちに、さやかちゃんの頑張りに心打たれ、涙にうち震え、自分も今日から何か前向きに取り組んでいこうと思ってしまう「構造的な」素晴らしさが、この本にはある。

この本で泣くには程遠いと思われる存在(受験勉強にイリュージョンを見ていないし、「誰だって1年本気で勉強すれば慶應くらい受かるだろ」と思ってる人間)でも、うっかり感動してしまうのは、この本が「構造的に」泣ける作りをしているからだ。

以下でそれを検証してみよう。


■まず「ギャル」が「慶應」というギャップ

これが本書のミソである。
タイトルを読んだ瞬間感じるこのギャップが、実はこの本を終始貫く二項対立を端的に表している。
(トップ画像の通り)

そして、全7章が「起」(1,2)「承」(3,4)「転」(5,6)「結」(7)に見事に綺麗に別れています。

■見事過ぎる起承転結

起承転結の「起」である1,2章では、
まずは、めちゃめちゃアホだけど屈託がなく、
明るく素直なギャル・さやかちゃんが著者の塾を訪れます。

そして
「ものを知らないけど、機転が利くところがあるし、想像力豊かだ。イケる」
と思った塾の先生(著者)が
「君は慶應に行けるよ!」とさやかちゃんをポジティブ評価しまくります。(左下)

対して、さやかちゃんの学校の先生は、学年ビリの彼女に対して
「お前が慶應なんか無理だろ。お前が受かったら全裸で逆立ちして校庭一周してやるよ」
とか言う始末。
なんと校長先生は素行も悪く派手な彼女らのことを「人間のクズ」と言っていたそうです。
そんな環境だったから、さやかちゃん達は夢も目標も持てなかったんですね。クソです。(右下)

さやかちゃんとしては、学校の先生とは全くことなる、自分と正面から向き合って沢山褒めてくれる塾の先生が、「慶應」という夢を提示してくれたため、言うことを信じてみようかな、という気になるわけですね。

そして、家庭環境。父と母が対立状態にあります。
まず母。幼少期、高学歴だったり社会的に高い立場にあった親族が次々不幸に見舞われた様子を見たため、
「学歴を持っていても幸せになれるとは限らない。大事なのは人としてまっすぐ育つこと」という信念をもっています。
彼女は
「慶應に受かっても受からなくても、どちらでもいい。さやかが目標を見つけて頑張っているのが嬉しいから、応援したい」
と言って高額な(年間100万超!)塾代を捻出してくれます(左上)。

(とにかくこのお母さんの教育方針は素晴らしい。さやかちゃんのおバカエピソードと、母の教育方針のくだりは、読んでて本当に面白かった!)

対して、
「さやかが慶應なんて行けるわけないだろ。お前はさやかを甘やかしすぎだ」
と言って、受験勉強に非協力的な父。(右上)金持ちのくせに塾代も出してくれない。
でも何気にこいつが学歴コンプ(というかミーハー? とにかく慶應に何らかのこだわりがある)だったりします。現時点では「やなやつ」。

続いて「承」(3,4章)では受験の具体的なテクニックとさやかちゃんの成長ぶりが描かれます。
(今回は割愛しますが、心理学を用いたとても効果的な受験テクが満載で、読み応えあり!!)

続いて「転」。
©Daichi Ishii Office, LLC.