「歩くということ」


海を渡るだけが 術ではなくて
空を飛ぶだけが 術ではなくて

この足があって 手があって
拾ったものを 掴んで 放さないようにして
でも 選んで 捨てていって

右足と 左足を 交互に動かす
たったそれだけで どこまでも行けるんだって
どうして 忘れていたのだろう

大地が続く限り ずっと――どこまでも
どこへでも 好きなところへ
歩いて行けるんだって どうして
今になって 思い出したのだろう


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