「月」



あの月を見上げたら
ここと同じような色の星

あの太陽を見上げたら
ここと同じような燃える色

まるで鏡を見ているみたい

なぜか真夜中の太陽に憧れた
宝石みたいな冷たさが羨ましかった

ここではないなら どこでもよかった





あの月に行こう
ロケットのように飛ばして

悲しい過去は切り捨てて
叶わなかった願いは諦めて

思いをなくした分
体も軽くなればいい

空へと手を伸ばすように
あの星に――手が届くくらいに

ひたすら
あの光を――希った

――でも
あの月が輝いているからって

欲しいものがそこにあるなんて
誰にも――分からない……




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