珈琲から見える深淵

溜息 
疲れ

その苦みに託して湛えられたコーヒー

飲み干して
消えていく

あぁ―分かる…
その感覚

苦みと甘みと一緒に
心に溜まった 汚れも一緒に
消えていく感覚




――――それが
最初に読んだ時の感想だった


ここにきて加筆されて
珈琲に込められた物語が胎動を始めたようで


珈琲そのものが闇であるかのように
手のひらの中に収まる程度の飲み物であるはずなのに
覗き込んだら 海のように深く 暗い

飲み干す心もまた 同じように
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